このように走ると,全体として最適負荷(84%付近)になる。陸上の人は心拍計などつけて走らないが,結果を出す選手は,経験等により身体でこのような感覚を完璧にわかっているのであろう。実際,’ハーフ過ぎまではラクラクで行く’等の発言を聞いたことがある気がする。しかし,この感覚がわからない選手は心拍計をつけない限り,どんなに素質があっても陸上世界においては芽が出ないわけである(笑)。さて,このようにコントロールすることで,以下のような利点がある。
・はじめ抑えることで,スタート直後,身体が落ち着いて脂肪燃焼を動員するまでのグリコーゲン消費が多少抑えられるかも
・ゴールで体内グリコーゲンを絞りつくすためのコントロールが比較的容易
そのへんのことは前回のはじめごろを参照してください…。ということで,テレビでよく見るような,典型的なこのレース展開は,かなり有効と思われる。充分走り込みができて筋持久力に不安がなければ(ただしこれこそが一番ネックになる部分であるが),レースを走る前にほぼタイムを推定できる。
ところで,’心拍数でコントロール’というとすぐ,’自分は感覚で分かっているから’とか’心拍数に縛られるのはどうか?’などという困った人たちが現れる。のでそのへんの話をのちほど続ける。
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