ご主人は以前ガンになり,それから食に対する意識を突き詰めて,全くの無農薬,まったくの自然素材のみで生活することに切り替えて治したそうだ。とにかく,味覚が狂うから酒を飲まない。味醂,酒,味噌,醤油,料理にはすべてホンモノを(酒でいえばそのまま飲んでも高級といえるようなものを)用いる。大山の道なき道を歩きまわり(1000回は上っているという)山菜を採る。川魚を釣る。烏骨鶏をはじめとしていろいろ飼っている。家のそばの畑で獲れたもの,信頼できる近所の農家から仕入れたものしか用いない。といってもバカ高いわけではないので,まったく商売になっていないはずだ。
以前いちど昼に食べにいって,そのときに宿泊もできるよ,ということだったのでこのあいだ1泊した。ただし,旅館としての営業許可はとっていないため,ご主人に個人的に泊めてもらい,その場合ごはん代を決めてあらかじめ予約しておいて,宿泊代は泊った人間の気持ちでお礼をする,という形だ。なぜ旅館の許可をとっていないかというと,ご主人自ら建てたログハウスで防火基準を満たしていないからだそうである。かなりの山奥で,なにもないが自然がある。広いヒノキ風呂に浸かり,なかなか得難い時間が過ごせる。もちろん昼に訪れても食べられる。休みの概念はない。ただしご主人が山に入っていれば当然ダメなので,確実に食べるには予約はしておいたほうがいいと思う。
さて何を食べたのかというと,きのこ,なめこそば,烏骨鶏の茶碗蒸し,うなぎ,山椒,山葵の葉,梅干の甘露煮,ビール,胡麻豆腐,しろいか,サワガニの蟹飯。素材そのものの味が濃厚で,普段の生活と同じものを食べてもすべて全く違う。ビールも違う。調理がどうこうという話ではなく,とにかく素材が違う。食べることに興味のある人なら,普段食べるものへの意識が変わることは間違いない。
翌朝は,コケコッコ,ガアガア,ケケケといった鳴き声で目が覚めた。ホンモノの豆腐,ホンモノの味噌を使った味噌汁。ご主人はとにかく普通の人ではないが,いい人だと思う。食べることに興味のある人なら絶対にソンはしないはず。
0859-53-8677
↓↓場所がむずかしいが,JR大山口の駅から上っていき,佐摩の交差点を右へ

↓↓三叉路の看板を左

↓↓こんな構え




