このたび,完全版の養成ギプスホイールを
ウエキさんに作ってもらった。これはいったい何かというと,いまどき使用しない36穴のリムを使い,バテッドでない#14のストレートの太いスポークを使って組んだ超重量級頑丈ホイールである。ちなみに重量は,タイヤもフリーもなし状態の前後で約2200g。それプラス36本のスポーク(泡立て器)による空気かき乱し効果で,なんともいえないネバ〜イ,いいコギ心地になるのだ(笑)。3年前にひらめいて以来,32穴の養成ギプスを常時練習で使っているが,まだ全然痛んだ気配なし。でもこの間岸田大先生に36穴ホイールは先乗りされたので,32穴はママチャリ用に回すことにして,今回作ってもらった。
なぜこんなものをうれしげに使うかというと,
1.頑丈でなかなか壊れない,なかなか振れない,これによって長期的には経済的かつ安全であること。これは安心してトレーニングするためにとても重要だ。
2.バカ重いことでヒルクライム時の人間トルクが養われること。
3.バカ重いことで若干のフライホイール効果が生じ,ペダリング改善にやや効果があるかもしれないこと。
4.レースのときに決戦ホイールにすると,信じられないくらい軽いこと。
5.レースのときに決戦ホイールに入れ替えることにより,レース前にタイヤやホイールをチェックする習慣がつくこと。
等々。
はっきり言って,ぼくは練習において常時高価なホイールを使う人の気が知れない!!ヨーロッパのレーサーでも,練習では普通のホイール&クリンチャータイヤだ。
ある関西方面の自転車屋さんによると,日ごろからレースと同じホイールを使ったほうが‘感覚がつかめていい’そうだ。たしかに,レース用はカーボンリムで練習用はアルミリムという場合,ブレーキの感覚は違う。剛性感,たわみ量も違うだろう。だから,レース用ホイールに慣れておく必要はある。しかし,それ以外の要素はどうか?ペダルークランクーチェーンを介しているので,踏むのが重くなった以外にたいして変わりはない。レースと練習で,靴を替えたりペダルを替えたりすると,微妙なセッティングの違いで影響があることも考えられるが,ホイールではそのような致命的な影響はない。ペダリングに悪い癖がつくわけでもない,むしろ先に述べたような理由でいいかも。ということから考えて,常時レース用を使うというのはどうか??
(2005.4.2追記:イケガタくんのように,横風に対応する力をつけるためにディスクで練習…というのはありだと思う。スキルが普通のホイールと全然違う物なら身につける必要がある。)
使い込むことによって手になじむ性質の,楽器や包丁,ノコやカンナといったものは,常時いいものを使うメリットが大きいと思う。しかしホイールは,消耗品なのだ!!トイレの水にもミネラルウォーターを使うようなすんごいお金持ちならいいかもしれない。しかしそういう人たちにしても,先に述べたようなトレーニング効果の面ではマイナスだ…しかも,こんな人に限って,練習でボロくなったり振れたような完組ホイールを,チェックもせず無神経にそのままレースでも使っていたりする。これではなんのための完組軽量ホイールか意味ないではないか!
さあみなさん,すぐに自転車屋さんへ行こう!ただし腕のいい自転車屋さんで,センターが1mmだってずれていない,またすぐ振れたりしないホイールを作れる人じゃないとダメダメですよ!
ウエキさんなら,ホイールの組み立てが大好きだそうなんで(笑),大喜びですぐに作ってくれます。
三宅さんのとってくださった超カッコいい写真↓↓